働き方をデザインする

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スクール・サポート・スタッフ(SSS)の立場から教職員の職場環境を変えたい人のブログ

働き方改革事例集へのツッコミ その2

文部科学省により『スクール・サポート・スタッフの1日の働き方イメージ』(以下、イメージ図)が公開されましたが、「何かが違う!」 スクール・サポート・スタッフ(SSS)として、関西人として、どうしても気になった部分にツッコミを入れたい。前回の続きですが、今回の話が一番気になっていて言いたかったことです。

前回の記事はこちら→

働き方改革事例集 スクール・サポート・スタッフ

引用:『全国の学校における働き方改革事例集(令和3年3月)』分割版①,p118

 

 

【第1位】は…!

私が気になった点の第1位は『勤務時間』についてです。イメージ図を見ると、朝の活動が始まる前に出勤し、放課後の時間の後に退勤することになっています。しかし、実際の勤務時間はそんなに長くないと思います。

 

先日、私が行ったアンケートでは、週あたりの勤務時間については、「20時間未満」の人が41.9%、「20時間以上25時間未満」の人が38.1%という結果になりました。1日あたりで考えると、勤務時間は5時間未満、特に4時間未満の人がほとんどだと言えます。

 

勤務時間の長さを図に表すと、次のようなイメージではないでしょうか。

教員 子ども スクールサポートスタッフ 在校時間

作成:アヤコ

ちなみに、『在校時間』とは、学校に入って(出勤して)から出る(退勤する)までの時間のことです。

 

もし、勤務時間が『8:30~12:30の4時間』の場合、給食の前には退勤時刻になります。私の場合は、毎日の勤務時間は5時間で、休憩時間45分もあるので、『在校時間』は多少増えますが、6時間目の途中には退勤時刻になります。

いずれにしても、学校に居る時間の長さは、『教員 > 子ども > SSS』ではないでしょうか。このことを踏まえると、イメージ図の内容は成り立たない部分が多いことが見えてきます。

 

【1.登下校時の検温・健康観察】

『登下校時』とありますが、もし、子どもの登校時に検温をしている場合、下校時には居ないでしょう。さらに、私の場合は、勤務開始時刻より子どもの登校時刻の方が早いので、検温を手伝うことはできません。

【2.給食配膳補助】

給食の時間帯は勤務時間外の可能性があります。私の場合、学校内には居ますが休憩時間にあたっているので、給食配膳補助をするのであれば、別の時間に休憩を取ることになります。

【3.共用施設の頻繁な換気】

これがどのような業務か分からないのですが、毎回の授業後に窓を開ける業務だとします。午前中の1~4時間目まではSSSが対応するが、午後の5時間目以降は対応しない(できない)ので、「午前中はSSSが行い、午後は教員が行う」ことになります。しかし、このような場合、ややこしいのでシンプルに「全ての時間、教員が行う」(最初からSSSは頼らない)というルールになってしまいがちです。

 

『勤務時間が短い』という理由で任されない(教員がSSSに任せられない)仕事がある以上、勤務時間の表記の違いにはツッコまずにはいられませんでした。

 

【おまけ】実は、もう1ページある

実は、『全国の学校における働き方改革事例集』の中には、SSSについて書かれたページがもう1ページあります。こちらです。 スクール・サポート・スタッフ 依頼 小学校

引用:『全国の学校における働き方改革事例集(令和3年3月)』分割版①,p20

 

「コロナ対策について一言もない!!!」

 

『1日の働き方イメージ』と、内容が違いすぎてとても興味深いです。『色々』と表現されている業務の中にコロナ対策が含まれているのでしょう。まあ、それで良いと思います。

ちなみに、このページは『学習指導 授業で使用するプリント印刷』という項目の2ページ目です。1ページ目には、「プリントではなくデータで配布すると時間削減になる」という内容が書かれています。データ配布が主流になって、SSSが手伝うのが『印刷』ではなく『データの配布』になればいいなと思います。

 

以上、文部科学省の『スクール・サポート・スタッフの1日の働き方イメージ』へのツッコミでした。みなさんも気になることがあれば、コメントへどうぞ!

 

【参考】全国の学校における働き方改革事例集(令和3年3月)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hatarakikata/mext_01423.html

 

(2022/4/3追記)

令和4(2022)年2月に『改訂版』が発表されました!

改訂版 全国の学校における働き方改革事例集(令和4年2月)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hatarakikata/mext_00001.html

 

私の感想はこの記事に書きました。

働き方改革フォーラムの感想(教員業務支援員の視点)

 

アイキャッチのイラストは『イラストAC』より