スクール・サポート・スタッフ(SSS)の1日の勤務時間は教員に比べるとかなり短く、5時間未満の人がほとんどです。*1 学校にSSSが配置されていても、実際には『SSSが居ない』時間は多いです。SSSが学校に居ない時間があることで、マンパワーが不足するだけでなく、教員の働き方にも悪影響を及ぼしていると考えています。
「SSSが居たら任せよう」の条件付き思考
教員が『自分の仕事』を手伝ってもらうとき、
- 「誰かに手伝ってほしいな」と思う
- 任せられるか考える
- 声に出してお願いする
という段階を経ると思いますが、Ⅱの『任せられるか考える』の中にも、考える項目がいくつかあります。他の人、特に、SSSに仕事を任せようとしたとき、考える順番は次のとおりだと思います。
- 自分にしかできない仕事かどうか
- 教員にしかできない仕事かどうか
- SSSの勤務時間内かどうか
私は、3の『SSSの勤務時間内かどうか』が思考を複雑にしていると考えています。
例えば、「明日すぐに使うプリントを印刷したい」と思ったとき、SSSが居れば任せられますが、勤務時間外で居なければ「他の教員にお願いする」もしくは「自分がするしかない」ようになります。このような急ぎの仕事の他にも『校舎内の施錠』など、放課後の時間帯に行う必要のある仕事の多くは、SSSに任せたくても任せられないのが現状ではないでしょうか。(下の図の赤丸のところ)
作成:アヤコ
「手伝ってほしいな」と思ってから何段階も考えないといけません。「SSSが勤務時間内であれば」と条件を付けて考える必要もあります。
また、「本当であればSSSに頼みたいけど、今居ないから頼めない。仕方がないから自分でやろう」と考えてやる仕事は、最初から「自分でやろう」と思う仕事より気が重くなってしまいます。
シンプルな思考
もし、上記の3の思考が無ければ、とてもシンプルになります。
- 自分にしかできない仕事かどうか
- 教員にしかできない仕事かどうか
の2つだけを考えればいいことになります。
作成:アヤコ
つまり、SSSの勤務時間が教員と同じ(フルタイム)であれば、余計な思考を無くすことができます。SSSの勤務時間が長くなれば、マンパワー以外の面でも良い影響があるのです。
より良い解決策
もっと良い方法は、教員と同程度の権限や責任を持つ『専門職員』(正規雇用・フルタイム)を配置して、現状、教員が抱えている業務を分担することです。
問題が起こってから対処するのではなく、問題が起こらないように事前に対処する考え方です。そうすれば、教員はより教員としての仕事に専念することができ、専門職員も自身の仕事の専門性を上げていくことができます。
また、業務量や業務内容が適切になれば、そもそもの「業務量が多いから他の人に任せたい」や「この仕事は自分の仕事ではないのでは?」という思考自体が不要になります。
作成:アヤコ
専門職員の配置については、こちらの記事で詳しく述べています。
『学校に専門職員を配置しようよ!』
https://ayakon36.hatenablog.com/entry/assign-professional-staff
まとめ
【現状の問題点】
- SSSが配置されていても、SSSが居るとは限らない、状況がある
- 教員がSSSに手伝いを依頼するためには複雑な思考をしなければいけない
- これらはSSSの勤務時間が短いことが原因である
【解決策】
- SSSの勤務時間を教員と同じフルタイムにする
- 専門職員を置いて、教員が現在抱えている業務を分担する
おまけ
*1 アンケートで『勤務時間は週25時間未満』と回答したのは80%
https://ayakon36.hatenablog.com/entry/questionnaire-responses-part3
2022/1/24 文章の体裁を整えました