SSS(スクール・サポート・スタッフ、教員業務支援員)ではない人に向けたアンケートの回答者は31人でした。この記事では、その方たちが回答した『SSSに期待していること』についてお伝えします。
また、それを考える手がかりとして、アンケートの質問の中に、SSSと働いたことがある人だけに答えていただく質問を3つ入れました。『同僚SSSへの評価』です。対象者19人分(※)の全回答もあわせてお伝えします。
※SSSと働いたことが「ない」と回答したものの、一緒に働くSSSへの評価をした人が1人いらっしゃったので、以前示した人数とずれています。
SSSとのコミュニケーション
(SSSと働いたことがある人への質問)
質問10 SSSとコミュニケーションを取る機会はありますか?
あるが6割、ないが4割でした。ないの割合が多い気がしますが、SSSの悩みとして「先生方と話す機会・時間が無い」というものがあるので、これぐらいの割合になるのかもしれません。
同僚SSSへの評価
(SSSと働いたことがある人への質問)
質問11 一緒に働くSSSの評価をするなら?
質問12 上記の評価の理由や、その人に言いたいことを書いてください。
厳しい意見もありますが、結果はほとんどが高評価です。
SSSに期待されているのは
「今後、より一層、教員の業務負担を軽減するために必要だと思うことは何か」という質問をSSS以外の人全員(31人)に尋ねました。1番多い回答は『教員とSSSの協力』となりました。
教員自身も、そうでない周囲の人も、教員とSSSが協力すればもっと良い効果が表れるのではないかと考えています。
2番目、3番目に多い回答は『SSSの配置人数を増やす』『SSSの労働時間を増やす』でした。協力はもちろんのこと、時間がもっとあり、人数がもっと居れば、今まで以上の効果を生み出すことができると考えています。
その他の意見は、
- 管理職をはじめとする教員が、他の職種や地域の方をどれだけ尊重できるか。教員の意識改革も必要。
- 教員とsssへの金銭的な待遇を上げる
- 学年にサポート職員という形で配備する
でした。いずれも納得の意見です。
居るだけで安心感がある
アンケートの回答項目に『ある程度の能力を持ったSSSを雇用する(応募条件の厳格化)』と入れたのは、先生方はもっと特別な資格や能力を持った人を欲しがっているのではないか、と考えていたからです。しかし、この項目の回答数が少なかったことから、特別な資格や能力というのは(現在は)そこまで求められていないことが分かりました。
また、先程の同僚SSSへの評価が、おおむね高評価だったことからもそれが分かります。コメントの中に「その人が来ると安心して仕事に専念できる」という意見があったように、まさに、SSSが居る(配置されている)だけで、教員の働き方改革についての一定の効果があるのでしょう。
後々、特別な資格や能力を持ったSSSが求められるようになるのかもしれませんが、今はとにかくマンパワーが足りない状況だと言えます。
情報を学校の外に伝える
回答項目の『保護者や児童生徒がSSSを理解する』は、学校内の人(教員、学校職員やスタッフ)の回答は低く、学校外の人(教育委員会、保護者、その他)の回答が高いという傾向になりました。
私も、SSSなので学校内の人に含まれますが、「保護者や児童に理解される必要は無いかなぁ」という気持ちがありました。しかし、学校外の人からすると、学校の先生方が多忙なのは聞いたことがあるが、そのための取り組みとしてSSSが居るというところまでは知らず、見えないので、見えやすく可視化されてほしいという意味ではないかと考えました。
SSSは全学校には居ないので、教員の中でもSSSのことをあまり知らない人もいるでしょう。そのため、まずは学校内の認知度を上げることが必要だと思います。
そしてその上で、働き方改革の次の段階を考えたときには、保護者を含む学校外の人々も巻き込んでいくことが必要だと考えています。そのときには、保護者の方々にもSSSのことを十分に理解してもらっている状態が望ましいと思います。
まとめ
SSSに期待されているのは、教員との協力(KyouinとのKyoryoku)でした!
…KKと表現するのは無理矢理でした(笑)
★アンケートについて、まとめて読むときは「第2回アンケート(2021年12月)」からどうぞ!★
2022/2/27 目次下に概要の表を付け足しました