働き方をデザインする

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スクール・サポート・スタッフ(SSS)の立場から教職員の職場環境を変えたい人のブログ

教員の忙しさレベルについての追加考察(アンケート結果詳細3)

前回取り上げた「教員の忙しさレベル」について、アンケート結果を分析し考察を加えました。前回は、読みやすさを重視した小説風でお伝えしましたが、今回は集計結果の共有や考察がメインです。

 

どうぞお楽しみください!(^o^)ノシ

 

<前回の記事>

教員の忙しさレベル(アンケート結果詳細2)

https://ayakon36.hatenablog.com/entry/teacher-busyness-level

 

 

アンケートの情報

回答者はSSSではない人19人で、職業等は次のとおりです。

(SSS…教員業務支援員、スクール・サポート・スタッフ)

アンケート回答者属性

 

下記の質問⑥~⑧の回答結果から『忙しさレベル』について、まとめています。

アンケート質問項目画像

 

SSS配置前後での回答比較

忙しさレベルの平均値は、SSSがいないとき(SSS配置前)が8.9、SSSがいるとき(SSS配置後)が6.5でした。

SSS配置前後の忙しさレベル平均値

 

SSSがいないとき(SSS配置前)の教員の忙しさレベルは、ほとんどの人が「8~10」と評価していました。

忙しさレベル回答数ヒストグラム(SSS配置前)

(グラフの読み方…忙しさレベルを「10」と回答した人が7人居る、「9」と回答した人も7人居る、ということ)

 

SSSがいるとき(SSS配置後)の忙しさレベルの回答にはバラつきが出ました。

忙しさレベル回答のヒストグラム(SSS配置後)

 

数値の変化が大きい人の傾向

SSSの配置前後で数値が大きく変化した(=SSSの効果が大きいと評価した)人に注目しました。

  • Aさん(忙しさレベル10→3)学校職員やスタッフ
  • Bさん(忙しさレベル10→4)学校職員やスタッフ
  • Cさん(忙しさレベル10→5)教員

 

質問⑧の自由記述
Bさん
「来年度のファイルを作成してくれたり、テプラをしてくれたり、電話を出てくれたり、募金活動の小銭確認をしてくれたり、給食費返金の時のお手伝いをしてくたり、トイレ掃除をしてくれたり、簡単な丸付けをしてくれたり…」(具体的な業務を23個記載)

 

Cさん

「我が校は2クラス以上ある学校ですが、田舎ということもあり部活、授業、授業準備等で23時過ぎまで勤務していたりする教員がします。仕事効率低下、心身衰弱で現に長期休業した教員もいました。今は20代の元自衛官の女性を起用しておりますが、仕事が早く効率も良く、また自ら率先して校内清掃をしたり整理整頓、物品管理等もしてくれます。急な仕事依頼も残業してまで迅速に対応してくれるので助かっております。(残業分は後日勤務時間を減らしたりしてます)また、防災の資格を持っているため避難訓練時や災害時も率先して対応してくれて非常に助かっております。」

 

数値の変化が少ない人の傾向

SSSの配置前後で数値がほとんど変化しない(=SSSの効果は小さいと評価した)人に注目しました。

  • Nさん(忙しさレベル8→7)学校職員やスタッフ
  • Oさん(忙しさレベル9→9)学校職員やスタッフ
  • Pさん(忙しさレベル7→7)過去に教員・学校職員・スタッフをしていた
  • Qさん(忙しさレベル10→10)教育関係の職業
  • Rさん(忙しさレベル5→5)過去に教員・学校職員・スタッフをしていた
  • Sさん(忙しさレベル9→10)学校職員やスタッフ

 

質問⑧の自由記述

Oさん「仕事がうまく分担されていないため、あまり変化がない」

Pさん「多少は減るけど、根本的には減らないから」

Sさん「とても心苦しいのですが、残念ながらいる方が忙しくなってしまっています」

 

Sさんに詳しく聞いたところ、次のような行動を取るSSSが居たため、厳しい評価の回答になったそうです。

  • 私語が多く、他の人の仕事の邪魔になる
  • 助言を素直に受け入れない
  • ミスが多く、教員がフォローしなければならなくなることが多い
  • 自分ルールを押し付ける(高圧的な態度)

 

サムネイル

 

考察

教員や学校職員やスタッフなど実際の学校に居て、SSSの効果を実感している人ほど、数値の変化が大きくなりました。『忙しさレベル』とは個人の印象でしかない数値ではありますが、SSSが居ることで最大(10)だと思っていた忙しさが、半分以下(3,4,5)に減るのは、本当にすごいことではないでしょうか!学校現場にいる人の意見なので、特に説得力もあります。

印象でしかない、という表現をしましたが、印象はとても重要です。SSSによって減る仕事量は、全体量からするとほんの一部のはずです。それなのに、まるで負担が半分に減ったかのように感じるのであれば、SSSの存在意義はとても高いと言えると思います。

 

その一方で、「(仕事量は)根本的には減らない」という意見のとおり、SSSの働きだけでは限界があるので、教員の業務量を減らすための取り組みが必要でしょう。また、それ以上に、SSSがいることで以前より現場の負担が増えてしまっているという事象が、多くはありませんが発生しています。ただでさえ、人を一人雇うのには手間が掛かり、事務的な業務が増えるものです。業務量軽減のために雇っているSSSがさらに業務量を増やす要因になってしまっては本末転倒です。質の高いSSSを採用できるように採用基準を上げる(そのために待遇改善をする)、研修を行い就業後のフォローをするなどの対策が必要になるでしょう。

 

 

教員の忙しさレベルについて、どう思われましたか?結構面白い質問ができたかなと思っていますが、どうでしょうか。(その分、回答者にとっては答えにくかったかもしれませんが…)

今回のアンケート結果を見て気になったこと、面白かったことがあればコメントよろしくお願いします ♪