働き方をデザインする

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スクール・サポート・スタッフ(SSS)の立場から教職員の職場環境を変えたい人のブログ

デンマークに学ぶ 思想と学校教育

フィンランドが福祉大国であり教育も素晴らしいというのは、テレビなどの情報で聞いたことがありました。

今回、フィンランドや同じ北欧にあるデンマークの教育についての本を読み、

「やっぱり良いな~」と思ったことから

「何ができるだろう」と考えたことまで書いてみたいと思います。

 

下記の本を読んだので、情報は本を参考にしたものが殆どです。

書きたいことが多すぎたので、今回はデンマークに関することのみを書いています。

 

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「しあわせな放課後の時間 デンマークフィンランド学童保育に学ぶ」

http://www.koubunken.co.jp/book/b202001.html

 

 

デンマークは「幸福度ランキング」で長年上位に入る(2020年の調査では2位)

「幸福の国」と言われています。

 

私が良い思想・行動だなと思ったのは大きく分けてこの3つです。

  1. 人は資源である
  2. 平等より公平
  3. 自分たちのことは自分たちで決める

 

日本にも、人が資源という考えが必要なのではないかと思います。考えとは意識だけでなくお金も投入することだと思っています。

 

デンマークは国民負担率68%と所得の大部分を税金として納めなければなりませんが、それが福祉のために使われているのが分かることが、不満にはなっていない理由だと思います。

 

税金が福祉に還元されていることがなぜ分かるかは、各個人が充実さを感じているだけでなく、政治への参加度合いが高いことも理由にあるようで、国政選挙の投票率は80~90%だそうです!

 

この意識・行動は学校での活動が基になっているように思います。クラスのルールを自分たちで決めて要望を学校に提出したり、学校の予算などを決める理事会に生徒代表が参加したりする仕組みがあるそうです。

 

学校の授業では対話が重要視され「あなたはどう思うのか?」という問いが頻繁に投げかけられ、自己主張をし、他者の主張も受け止め、話し合うことが重要視されています。

 

学童保育でおやつが提供されるとき、子どもたちは自分の欲しい物を必要なだけ取っていきます。そんな些細な場面でも、自分のことは自分で決めることが後押しされています。一人何個ずつと決めると「平等」ですが、それはせず、必要な分を取るという「公平」になるようにしています。

「平等」ではない「公平」とは、「(サービスなどを)受け取る側が受け取った後に同じ状況になることだ」という説明が本の中で出てきます。

 

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これは私が昔に見て分かりやすいと思った、公平と平等の違いを表す風刺絵です。

 

私の印象では、日本の学校には「平等」を大切にしていることが多い気がします。平等が悪い訳ではありませんが、本当にそれが「公平」なのか考え直す視点は、必要だと思います。

平等を大切にする理由の一つは、不満が出るのを防ぐことではないかと思います。しかし、不満は自分の意見が反映されていないときに発生するのではないかとも思うので、対話をして自分の意見を主張し他者の意見を受け入れることが、また大切なのではないかと思います。

 

最後に、

本を読んで「よかったです」という感想だけじゃ駄目だよな~、自分自身にできることは何かを考えてみないと、と思い考えてみたのですが…

 

  • 「平等ではあるが公平ではない状態になっていないか」考え、必要な時には意見を述べる。
  • (人の意見を受け入れるのは得意だが、主張する方が苦手なので)対話を積極的に行う意識で物怖じせず意見を述べる。受け入れられなくても挫けない。
  • 子どもと接するときには、なるべく、自分で物事を選択させる話し方をする。

ぐらいしか思いつきませんでした。

 

抽象的でほんの少しの行動にしかなっていないじゃないか…。結構悩んで落ち込んだのですが、一人ひとりができることとは、これぐらい些細なことなのかもしれません。

あと自分にできることは、これを発信することなので、続けていきたいと思います。

 

(追記)

 良いなと思うことが多すぎて全て書けなかったけどこれだけは言いたいコーナー

 

① 私が共感した本文中の著者の意見。(本文を要約しています)

「日本の学校には細かな校則がたくさんある。髪の毛の長さ、スカートの長さ、眉の形、靴下など。これらの校則の殆どが、子どもたちが決めたものではなく学校が定めたものである。そうすると、子どもたちはどこまでであればギリギリ見逃してもらえるのかを考える。学校教育を通して、誤魔化す方法やきまりを守らずに済む方法を身につけさせているのではないかと思えてくる。極端に言うと、決まりを守らない市民を育成しているのではないか。」

 

② 「学校妖精」の取り組み

0学年を担当するペタゴー(生活指導教諭。学童保育も担当する。)が、妖精やピエロの格好をして休み時間に現れる。廊下の片隅にソファとテーブルを置きコーナーを設置。時にお茶を飲みながら、友だちのこと、家庭のこと、ペットの死に向き合うことなど、子ども自身や子ども同士では解決できない問題などを話す。「妖精」として、そっと大人が寄り添うことが出来る工夫であり、生きていく上での豊かさにつながる遊びであると筆者は表現している。

 

この取り組みに似たようなことができないかは、結構本気で考えています。他にも、学校内にはリラックスできるようなソファやスペースがたくさんあるようで、そういう場所があると良いなと思うのですが、ソファ買ってもらうのはハードルが高く、どうしたものかと考えています。