SSS(スクールサポートスタッフ、教員業務支援員)は魅力的な仕事だと思っています。子どもたちのために一生懸命働く先生たちを直接的に支えることができる仕事で、自分たちの働きが、回りまわって子どもたちに還元されていることを感じられるからです。
この私の意見に賛同してくれる人は多いと思っています。魅力を感じるからこそ、この仕事の発展を願っている人も多いと思っています。
前回の記事では、アンケートの結果より、SSSではない人々の立場からSSSのあり方や教員の業務について考えました。今回はSSSの立場から、SSSの今後について考えていきます。
協力をお願いしたい
私は自分自身がSSSなので、困ったときにどのような努力ができるかをSSSの立場でいくつか提案してきました。しかし、SSS個人では難しいこともたくさんあると感じてきました。特に、「今後について」の長期的なことや制度に関わることなどです。今回は、そこに焦点を当てて、協力をお願いしたい・お力をお借りしたいことについてお伝えします。
管理職の先生たちへのお願い
マネジメント
マネジメントと言っても大袈裟なことではなく、「やる気はあるけど、やることがない」「他の職員やスタッフと仕事が被っていて困る」など、まずは、どのようなことで悩んでいるかを知ってほしいです。そして、SSS個人では解決しきれないこともあるので、そのときにはお力をお借りしたいです。 *1
SSSと周囲の人たちとの橋渡し
SSSが教員に「もっと気軽に依頼してほしい」などの意見を持っていることもあります。また逆に、教員などのSSSではない人たちがSSSに「教員と協力することを期待している」という意見もあります。このような、それぞれの意見がそれぞれに届くように、橋渡しの役割をしてもらえたら有難いです。 *2
文部科学省や教育委員会の人たちへのお願い
待遇改善
- 給料が低い
- 雇用が不安定
- 長期休暇中の勤務がない
など、待遇や働き方について改善してほしいことがいくつかあります。これらはSSSの努力だけで変えるのは難しいので、まず現状を知ってもらいたいです。そして、一緒に改善を目指す人となってもらいたいです。 *3
長期的な考え
SSSは比較的新しい仕事だと思います。長く雇用している地域でも現時点でも4~5年間ほどではないでしょうか。この仕事は重要な役割を持つ仕事なので、これからも10年、20年と長く存在する仕事だと、私は思っています。しかし、現在の、会計年度任用職員という1年単位の雇用では、同じ人が長く勤める想定がされておらず、10年経っても知識や経験などは蓄積されません。
10年後を見据えた雇用や労働環境を整えてほしいです。 *4
学校内で出来ないこと
SSSは新しい職業のため、仕事内容について悩んだとき、管理者である校長先生や教頭先生または周囲の先生方が十分にアドバイスできないということが起こりがちです。また、各校に1人の場合が多いので、同じ職業の人に相談することも難しい環境です。そのようなとき、他校の人や取り組みを知ることができれば問題解決の手助けになります。このような、学校内では解決できないことについてお力をお借りしたいです。 *5
SSSは魅力的な仕事!
8~9割の人が、今後も仕事を続けたいと考えています。そのうちの半分の人は、会計年度任用職員という1年単位の雇用にも関わらず、「出来る限り長く」仕事を続けたいと考えています。
私もこの仕事が好きで、出来る限り長く続けたいと思っています。また、世の中にとって必要な仕事だとも思っています。だからこそ、今後も魅力を伝えるとともに、不満については改善を訴えていきたいです。そのときには、管理職の先生方、教育委員会の方々、文部科学省の方々、みなさんのお力をお借りしたいです。
参考記事へのリンク
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「やる気はあるけど、やることがない」という話:もったいないSSSのやる気(アンケート結果報告3)
「他の職員やスタッフと仕事が被っていて困る」という話:SSS特有の悩みごと(アンケート結果報告5)
SSS→教員への意見:SSSの今後について(SSS以外の人の意見)(アンケート結果報告8-1)
教員→SSSへの意見:SSSに期待されているのはKK(アンケート結果報告4)
「給料が低い」:みんなが気になる給料の話
「雇用が不安定」:SSSが直面している雇用の問題
「長期休暇中の勤務がない」:もったいないSSSのやる気(アンケート結果報告3)
「会計年度任用職員」の話:
スクールサポートスタッフの取り扱う情報レベルと待遇について(アンケート結果報告7)
「他校の情報を知りたい」という話:
★アンケートについて、まとめて読むときは「第2回アンケート(2021年12月)」からどうぞ!★