今回は、気になるけどなかなか人には聞けないスクール・サポート・スタッフ(SSS、教員業務支援員)の給料の話をアンケートの結果からお伝えします。
時給を最低賃金と比較すると?
昨年度(前回)行ったアンケート *1 と同じように、時給がいくらかを問う質問を入れました。しかし、最低賃金が地域によって大きく違い(820円~1041円)*2 、時給の金額が同じでも地域によって価値が違うので、今回は働いている都道府県名も質問に入れました。
そして、時給の平均額は、『(最低賃金)×(1.07~1.31)』と分かりました。
(時給額は『1,000円~1,299円』のように幅を持たせて尋ねたので、平均額にも幅があります。)
992×1.07=1061 992×1.31=1300
なので『時給1061円~1300円』が平均的と言えます。
私の主観ですが、もし1.1倍であれば最低賃金と比べて数十円しか変わらないので、「時給は低い」「他のアルバイトの方が楽に稼げそう」という印象を持ちます。
※この記事では全て『時給』と表現していますが、自治体によっては『月給』制の所もあります。
回答者から「うちの自治体は月給制なのでだいたい時給に換算すると…で算出しました。」というコメントをいただいています。今の時給で月給制になれば、年収は上がるのになあと思います。
収入が少ないのがSSSの悩み
多くのSSSが悩ませるのが収入の少なさだと思います。時給が低いことに加えて、
という理由のためです。
この条件が都合の良い人も居ると思いますが、この仕事でもっと収入が得られたらと思う人も多いと思います。
時給が高くなる条件を調べたい!
そこで、
- SSSの経験年数が長いと時給が高くなる?
- 教員免許を持っていると時給が高くなる?
- 時給が高い地域がある?
という疑問を持ったので、アンケートの結果から、それぞれ考察してみました。
経験年数が長い人の時給は高い?
私(の働く市)の場合ですが、SSSとして2年目の時給は、1年目より(ほんの少し)上がりました。1年間働いた経験値が付いたためです(たぶん)。他の都道府県・市区町村でも同じような対応がされているかどうか、私の時給も来年度以降も毎年上がっていくのかどうかも分かりませんが、希望を込めて、「経験年数が長くなればなるほど時給は上がっていく」と仮定しました。そこで、同じ都道府県の人の
- 時給
- 勤務年数
の関係性を見てみました。
結果、「経験年数が長くなればなるほど時給は上がっていく」とは言えませんでした。
時給が高い人たちの傾向も見たのですが、時給が高い人の中には、勤務年数が『4年以上』の人も『1年未満』の人も居たので、時給の高さと勤務年数は関係ないようです。
また、同じ都道府県でも市区町村によって、
- 時給
- 労働時間
- 勤務日数
などの条件が違うことを忘れていました。(うっかり)
比較するのであれば、同じ都道府県の中の同じ市区町村の人同士を比べないと分からないことが多かったです。
同じ県でも条件がバラバラの例
教員免許を持っていると時給が高くなる?
この疑問については、昨年度のアンケートの結果から分かりました。
- 教員免許を持っているか
- 時給額
の2つの結果を組み合わせたところ、教員免許を持っている人ほど時給が高いという結果にはなりませんでした。
『(教員免許を持っているだけではなく)元教員であり、時給1000円未満』という人も居たので、SSSという仕事に教員免許の有無は関係ないと判断されているようです。
時給が高い地域がある?
総じて時給が高い、言い換えると、給料の羽振りが良い自治体があるのか気になっていました。
最低賃金の高い東京などの都心部の地域や、早くからSSSを導入していた地域などに、もしかしたら、SSSの待遇が良い都道府県があるのではないかと予想していました。
今回、『時給1300円以上』と回答したのは85人中3人でした。(『時給1500円以上』の人は居ませんでした。)
そして、この3人の都道府県はバラバラでした。特定の都道府県の人だけ時給が高い、ということは無いようです。
また、この3人の中には『最低賃金が900円未満の地域』の人も居ました。そのため、最低賃金が高い地域の時給が高い、とは言えないことが分かりました。
まとめ
アンケート結果より分かったこと
(補足)給料はどうやって決まっているのか
都道府県もしくは市区町村の職員の給料は、年齢、学歴などによって算出方法(金額)が決まっていると思います。地方公務員なので都道府県によって大きな差は無いのかなと思っています。
SSSなどの会計年度任用職員の給料は、その職員の給料に応じた金額のようです。算出方法があるようですので、資料を照らし合わせれば、時給額が分かるようですが…誰か詳しい人が居たら教えてください。。
昨年度(前回)のアンケートの
- 教員免許を持っているかどうか
- 勤務年数
- 勤務時間
- 時給
の話は、まとめてこのページで読めます↓↓
*1 勤務時間や時給など、SSSの実態をお知らせします(アンケート結果)
https://ayakon36.hatenablog.com/entry/questionnaire-responses-part3
【その他の参考資料】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
*3 アンケートに回答したのは誰か(結果報告1)
https://ayakon36.hatenablog.com/entry/who-responded-to-questionnaire
(労働時間に関する回答結果が載っています)
*4 もったいないSSSのやる気(アンケート結果報告3)
https://ayakon36.hatenablog.com/entry/waste-sss-motivation
(長期休暇中が休みであることに関する回答結果が載っています)
★アンケートについて、まとめて読むときは「第2回アンケート(2021年12月)」からどうぞ!★
2022/3/28 時給を最低賃金と比較すると?の※部分を追記しました