はじめに
前回、教員業務支援員がどうしても疎外感を感じてしまう状況があるという話をしました。
今回は、その状況をイベントの大きさによって3種類に分類して考えてみました。
行事の規模で分類
大行事
保護者が参観に来るような規模の、いわゆる『学校行事』
(例)入学式、運動会、文化祭、卒業式
例えば、運動会が土曜日または日曜日開催の場合、日程的に参加できない場合があります。
ほとんどの教員業務支援員は『会計年度任用職員(パートタイム勤務)』です。収入が低いことからも、兼業をしている人は少なくありません。兼業の仕事があると、勤務日時の変更が難しい場合があります。
また、教育委員会や管理職の先生が、教員業務支援員が出勤する必要は無いと判断し、出勤日に指定しない場合もあります。(「会計年度さんは来なくていいよ」と嫌な言い方をする管理職も居るとか居ないとか…。)
そうすると、学校全体が「運動会やりきったなあ」という満足感に包まれている中、その雰囲気に入れずに疎外感を感じることがあります。
中行事
児童生徒+教員で行う規模の、主に学校内だけの行事
(例)児童集会、卒業生を送る会
例えば、児童集会は月に一度、月曜日の1時間目に行われるのですが、私の勤務時間外の時間なので参加することができません。ふいに訪れる「集会のときに話しましたが…」という会話に参加できないとき、疎外感を感じてしまいます。
小行事
教職員全員で行う事
(例)プール掃除、運動場での運動会の準備、"全員参加の"研修や会議
運動会の準備の例は前回の記事のとおりです。
教員全員が別室で会議などをしているとき、私は職員室で留守番をします。
疎外感を生み出さない方法
私がこの記事の中で言いたいのは、「疎外感を生み出してしまう環境を変えられないだろうか」ということです。
例えば、私が「疎外感を感じている」と言うと、
- 「あなたが気にしすぎなのでは?」
- 「私は○○すれば気にならなくなりましたよ」
- 「疎外感にはもう慣れました」
という声が上がります。
これはつまり、疎外感の問題は
- 教員業務支援員が気にしなければいい
- 教員業務支援員が慣れれば(諦めれば)いい
というように、個人の努力によって解決する問題だと思われています。
その一方で、疎外感が生み出される『原因』は、
- 職務上や立場上、行事に参加できない
- 行事が頻繁にある
- 偏った職員編成(職場内のほとんどが教員で、教員業務支援員は一人)
という環境によるものが大きいです。
そこから私が考えたことは、簡単に言うと、
「環境のせいで疎外感を感じているのに、個人の努力で解決してね、っておかしくない!?」
ということです。
これを難しく言うと(?)
「職場環境という個人で対応するには難しい事柄が原因となっているのに、その解決は個人の努力に委ねられている。この状況は、『組織の課題』が『個人の努力不足』という問題に矮小化され見過ごされているのではないか」
ということです。(なぜ難しく言ったのか)
疎外感について考えてみよう
さて、私が教員業務支援員なので、教員業務支援員を主語にしてここまで話しましたが、学校内には他にも職員が居て、その割合は『教員:教員以外の職員=8:2』と言われています。
個人が努力をして疎外感を克服することは良いことですが、解決策がそれだけというのは良くないことです。
良い組織を作るために、組織の問題として一度考えてみませんか。
2024/3/20 一部の文字を太文字にしました